歯根端切除術について
2024年10月31日
歯根端切除術とは
・根管治療で予後不良の場合に行う外科手術のことで、精密根管治療における外科的処置(歯内療法外科)の一つです。根管治療終了後に、一定の期間経過観察を行っても治癒の傾向が見られない場合に、続きの処置として、歯内療法外科を適応するケースがあります。歯根端切除術などの歯内療法外科は、根尖と病変を摘出することで、予後不良の根尖性歯周炎を治癒に導くことができる処置です。
メリット
・根管治療で治らなかった場合や、根管治療ができなかった歯を抜歯せずに残せる可能性があります。また、上の被せ物(クラウン)は外さずに治療ができます。
デメリット
・歯根端切除術では、外科的な治療のため術後一次的に歯ぐきの腫れや痛みが出ますが、痛み止めや抗生物質でコントロールできます。
・外科処置を伴うため治療後、切開線によっては歯ぐきが下がる場合があります。 (歯根嚢胞が根の先端のみの場合は、歯ぐき下がることはほとんどありません。)
逆根管充填
・歯根先端方向から詰め物をすることです
逆根管充填を行わない歯根端切除術の成功率は大幅に下がることが分かっています
・逆根管充填が歯根端切除術の成功率に大きく関わるものであるにも拘わらず、術式が煩雑で時間のかかる逆根管充填を臨床の現場では行われないことも多いです
逆根管充填材料
MTAセメント、スーパーボンド、光重合レジン、EBAセメント
逆根管充填を行う際には適切な止血処置が重要となります。
その他
CT撮影は診断上大変重要ですが、CT撮影しても根尖から伸びた破折線や亀裂は術前に診断できない場合があり切開して歯根を目視で確認した際に、歯根先端に亀裂や破折線が伸びている場合があります。
歯根端切除術する際にみつかる破折線、亀裂は治療上大きな問題となります。